2009年6月11日木曜日

マイ・スウィート・ホーム

先日、師匠から「おまえ、絶対この本好きだよ」と言われ、貸してもらった本を読み終えました。
名画座番外地―「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記 (幻冬舎アウトロー文庫) (文庫)/川原 テツ (著)
新宿東南口のグリンピーや武蔵野館に囲まれたあたり、現在はAVIREXの店舗が1階に入ってるビルに、2001年まであった名画座、新宿昭和館のお話です。
著者は10代の若くから昭和館で働き始め、閉館に至るまでそこで働き続けた方。
上映映画も客も従業員も、とにかくアウトローだし、アットホームで、愛を感じます。
映画館で寒かったから焚き火してる客とか、2階席から1階席に転げ落ちる客とか、従業員達(これまたキャラが濃いいっ)のこととか、一話一話が短くまとまっていて文章も面白いので読みやすく。
一気に読むのが物凄いもったいなかったので、通勤中の電車でチビチビ読んでました。
堪えきれず声出して笑ったり、シンミリ泣きそうになったりして。
さすが師匠、ナイスソムリエ!

非常に残念なことに、この新宿昭和館、私は中に入って映画を観たことが無いのです。
きっときっと、今ある映画館とは比べ物にならないくらい濃くて、ヤサグレて、ある種の人達にはアットホームな場所なのでしょう。
だからといって私は、今ある映画館がみんな一様に綺麗でシステマティックなハコだとは思ってないです。

映画館で映画を観る醍醐味って、真っ暗な中で観る大きなスクリーン、大きなサウンド、家で観るのとはまた違った映画を観に来たゼ感などなど、ありますが、私にとってかなり重要でもあるのが他のお客さんを含む雰囲気であったりもします。
地域によっても全然違うし、私が一番行くことの多い新宿の映画館でも、それぞれ客層が違います。
そしてやっぱり私には、どんなに椅子がフカフカで、どんなに場内が綺麗でも、飲食禁止とかマダムやシャレオツなカップルが居る映画館よりも、ホームレスのおじちゃんがロビーに居てブツブツ言ってたり、みるからに濃ゆい人生送ってそうな一人で来てるおじちゃんやニーチャンが多い歌舞伎町の映画館のが断然居心地がいいのです。
ポプコーンが床に散らばってても、椅子が野球場のベンチみたいに薄くても。
ミニシアター系の映画だとどうしても恵比寿や渋谷のシャレオツな映画館しか上映が無かったりするので観念して観にいきます。
あとは、人の居ないイースト・トーキョーのシネコンも好きです。
レイトショー観終わったあと、一人エスカレータで降りながら誰も居ないショッピングモール通って出口に向かったりしてね。

もう随分前のことなんだけど、スノッブだかスコップだか知らないが、知り合い夫婦と飲んだときにとても居心地の悪さを感じた夜がありました。
とにかく上から目線で、ラベルや世間の評価を通さないとモノを語れないんだろうなあて凄く感じて、なんだか凄く寂しい気持ちになりました。
昔は仲良かったからね。
次の日、一人で映画を観に歌舞伎町に行ったのだけど、真っ昼間だというのにコマ広場で全裸のホームレスがケツ掻いてたり、泥酔したホストと嬢が大喧嘩してたり、花束ブン回してるキャバ嬢が居て。
映画館もいつも通りの客層で、なんか映画館を出たときに物凄いホッとしたんですよねぇ。

生まれてから10回も引越しして色んなとこに住んできたので、故郷も無いし幼馴染も居ないのでどんな感じかわからないのだけど、地元って、きっとこういうことなのかなっと思っております。