2008年12月18日木曜日

3年前のオスカー最優秀ドキュメンタリーなんだよね

『未来を写したこどもたち』鑑賞。
ザナ・ブリスキというNYの女性カメラマンが監督撮影しているインドの売春窟に生まれた子供達を撮るドキュメンタリー。
彼女は初めて売春窟を取材で訪れたとき、赤線地帯の街や店、路地の写真を撮りたかったのだが、摘発を恐れてなかなか写真を撮らせてもらえないらしく、じゃあ住んじゃうってことでそこに暮らしてた。
現在はNYに戻ったみたいだが、劇中で住んで2年になるというセリフがあった。
で、そこで産まれ、学校にも行けず、家事をする子供達にアテられ、彼女のやり方で何か出来ないかということで、写真教室を開いてカメラに興味を持った子供達にカメラを持たせ、彼らの目を通したリアルな日常をフイルムに落とし込ませる。

ドキュメンタリーに出てくるのは、8人の子供達。
冒頭で、10歳そこらの女の子が「いつから客を取るの?ってしょっちゅう聞かれるから、もうじきねって答えるのよ」と屈託の無い顔で言う。
インドのカーストの性質同様、そこで産まれた子供達は、選択なんてない。
母親と同じようにいずれ自分の子供がカーテンの向こう側に居る中で客を取るようになるだろうし、それを当然のこととして生きている。

とにかく、子供たちの美しい瞳がいちいち凄い。
母親から罵られているときの哀しい瞳、母親の仕事について話すときの淡々とした瞳、カメラを構えてるときの心の底から楽しそうな瞳、寄宿学校に願書を出すためのHIVの血液検査(!)を受けるときの注射針を怖がる瞳。
ドキュメンタリー内でも壮絶なことがあったが、その瞳で想像もつかないようなことを沢山見てきたんだろうなあ。
だからこそ、「受け入れなくちゃ。悲しいことも、苦しいことも人生なんだから。」なんてスラリと言ってのける言葉が、こちらに重たく響く。

ラストでその後が字幕で流れたが、あまりに根が深くて色々簡単には行かないよな、と思うことも、今後の活躍が楽しみだと思うことも両方あった。
ドキュメンタリーに出てきたのは8人だが、同じように生まれ育つ子供は何万人と居るだろうし、彼らの母親たちもまた、同じように子供だったのだ。
このドキュメンタリーが撮ってるのはほんの氷山の一角だけど、そういう世界について、考えさせ、感じさせるこのパワーは、ザナ・ブリスキのそれだろう。


子供達の撮った写真。
http://www.mirai-kodomo.net/gallery_avijit_1.html
カメラが好きな理由を「この街で暮らす人たちの生活を写真に残したい」と語る子も居れば、「写真に撮っておけば、死んだ人といつでも会える。」と語る子も居ました。。
公開してるシネスイッチ銀座でも展示してます。
鑑賞料の1%がキッズ・ウイズ・カメラズという子供支援基金に寄付されるんだって。
絶対映画館で観て欲しい。